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マタニティーマークに関する記事を見て

マタニティマークが付けられない…なぜ妊婦が萎縮する社会になったのか(藤村美里) - Yahoo!ニュース
こういうニュースにはびっくりさせられますね。マタニティーマークを付けていると、逆になにか意地悪されたり嫌みを言われたりする世の中というのは悲しいです。

僕は三年ぐらい前から移動は車イスに頼っています。でも車イスに乗るようになってから、他人から何か意地悪をされたり嫌みを言われたりしたことはありません。
むしろみんな親切だなぁと驚くことの方が多い。エレベーターの「開」ボタンをずっと押していてくれる、ドアを開けて待っていてくれる、何か困っていませんか?とわざわざ声をかけてくれる、上り坂で苦労していれば見ず知らずの人が「押しましょうか?」と言って介助してくれる。その人が行く方向とは逆なのに、わざわざ戻ってきてくれることもあります。
心の中では、じゃまだなぁという気持ちがあるのかも知れませんが、言葉に出してディスリスペクトされることはありません。

障がい者は身体の自由が効かなくてかわいそう、と同情してくれているのでしょう。人間、自分と比べて明らかに不幸な環境におかれている人には素直に優しくできる。そして実際、車イスに乗っていると他人のそういう気持ちに頼らなければならない場面があるんですね。

一方、妊婦さんはというと、一般論で言えば、幸せな人たちと思われがちです。独りで子育てしなければならなかったり、悪阻などで体調がとても悪いということだってあるから、みんなが一様に幸せな状況とは言えないと思いますが、そこまで考えが至らない人たちには、充実した人生のまっただ中の幸せな人と認識されてしまう。
人間というものは他人の幸せは妬ましく感じるんですね。みんな羨ましいわけです。
こんな時代ですから、子供が欲しかったけど何らかの事情で子供を持つことが適わなかったという人たちも増えている。妊活なんていう言葉も出てくる時代です。努力しないと子供ももてない。

ひねくれた人には、妊婦さんは、自分だけ充実した幸せな人生を過ごしてますって顔しやがって!というふうに見える。こっちはそれどころじゃねぇんだということになる。それが、絶対席なんか譲ってやんないからな、という意地悪な行動に出てしまう。
自分と比べて可愛そうで不幸な人には自然に優しくできるけれど、自分より幸せ(そう)な人には逆の行動をとってしまう。
これは人間のプリミティブな部分から発せられる感情なので、ある意味、止めることは不可能なんですね。それが人間という生き物なんです。
子供用のバギーを電車に載せるママさんには「昼間っから子どもを連れてお買い物か。いいご身分だな」と毒づく。
「子供が乗ってます」ステッカーを車に貼っている人には「ちっ。何だよ、子供が乗ってるから優しくして下さいってか?」と勝手に思い違いをして、逆にいじめてみたくなってしまう。

アベノミクスのせいで経済格差が広がり、貧困層が増えました。それと同時に、孤独や寂しさを抱えて苦しんでいる人も増えてしまいました。自分のことで精一杯で他人の気持ちなんか考えていられないという人たちが沢山いる。
世の中の人たちの考えは、より狭量な方に偏り、寛容さが失われていっている気がします。
昔は良かったなどとは言いたくありませんが、最近は世の中全体が寛容さをなくしつつあります。
このままマーケット至上主義の歪んだキャピタリズムに社会全体が覆われてしまうのではないかと心配しています。
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